マリーの部屋 ー お金のこと80 続 SVBはリーマンとは違う
みなさまごきげんよう。
お元気でお過ごしかしら。
昨日は、SVBはリーマンと違う、の前編をご紹介させていただきました。
本日は、「じゃあ、リーマンの倒産はSVBと何が違うのか」にお話をすすめようと思います。
今回のSVBの話「リーマン以降、最大の倒産」みたいに言われますが、そもそもリーマンが倒産したときには、市場はすでにめちゃくちゃでした。
リーマンが2008年9月に米破産法11条を申請する前に、ベアスターンズ、カントリーワイド、インディマック、そしてフレディマックやファニーメイといった、アメリカの名だたる巨大金融機関が実質破綻になっていたのです。
ただ、JPモルガンによるベアスターンズ救済合併に象徴されるように、多くの金融機関が吸収合併されたり、政府管理下に置かれたりして、なんとか「破産」にはなりませんでした。
しかしリーマン・ブラザーズには、救済合併してくれる金融機関が、最終的には表れなかったのです。
そして、不安に思った市場により、短期資金の調達ができなくなりました。CPの発行ができなくなったのです。
CPは、基本的にはロール(借り換え)して資金をつなぐツールですから、CPが発行できない=すでに発行しているCPや債券の元利払いができない、となり、
「支払い不履行」ということで、米破産法チャプター11申請となったわけです。
短期借入さえロールできれば、このようなことにはなりませんでした。
実際、リーマンには十分な資産があり、その後の法廷での調整を経て、債権者にはほぼ100%の資金が返還されています。
リーマンが破産法を申請して、マーケットは大変なことになりましたので、その直後に同様に破綻しそうになったAIGには、公的資金が注入されました。
結果、リーマンだけが破産法申請ということになったわけです。
このリーマンショックをうけて、金融機関規制の強化(資本増強やレバレッジの規制)がされ、以前よりもずっと、今の金融機関は財務的に安定しています。
また規制がきつくなったと同時に、当局からの監視もとても厳しくなりました。
コンプライアンス部の規模は、どの金融機関でも数倍になったはずです。
基本的には、以前よりも金融機関はずっとつぶれにくいです。それに、まだまだ金融機関には余力があります。
このSVBの件がどんどん他の金融機関にも波及していくようなことがあるとこわいですが、どこかでおさまるのではないかと思います。何より、リーマンショック時の教訓から、FRBは上手にこの状況をハンドルできると確信しています。
でも、この件によって、FRBが「利上げ継続」できなくなると、ちょっと不安です。
なぜなら、インフレを撲滅する前に、利上げしようがなくなったら、インフレが加速し、やはり物価が安定せず経済にはとても悪い影響が出てくるからです。
今晩のCPIの発表をはじめ、
ー 米インフレの状況
ー 米ファンダメンタルの悪化ぐあい(雇用統計、住宅関連指標、ISM等)
それから
ー 金融システム(銀行がどれくらい苦境におちいるか。連鎖があるか)
を注目する必要があるわね・・・
おいしかったランチシリーズ!
米原ゴルフ倶楽部のランチ。魚介だしのラーメン!
オーソドックスな太麺のラーメン。塩味がハーフラウンドした体に気持ちよくしみわたりました。スープもコクがあるけど重くなく、ちょうどいい感じよ!
それではみなさまごきげんよう。