マリーの部屋 - お金のこと96 米国格下げ?
みなさまごきげんよう。
お元気でお過ごしかしら。
Fitchが米国の「長期外貨建て格付け」を引き下げたわね。
まず、Fitchというのは、S&PやMoody’sと並ぶ有名なアメリカの格付け会社。
でもS&PやMoody'sよりちょっと格下で、機関投資家によってはFitchの格付けはみず、他の2社の格付けだけを基準に投資を行う人もいます。
まあ、それでも有名な格付け会社。
あ、日本の個人投資家向け社債が発行されるときによく使われる「R&I」や「JCR」は、機関投資家は全く見ていないからね。
そして、「格付け」といっても、いろんな種類があるの。
長期外貨建て無担保優先債務 AA+
長期自国通貨建て無担保優先債務 AAA
カントリーシーリング AAA
今回はこのうち、長期外貨建て無担保優先債務の格付けがAAAからAA+に引き下げられたということ。
自国通貨建ての格付けや、カントリーシーリングはAAAのまま。
なんで、自国通貨建てと、外貨建てで格付けが違ってくるのでしょうか?
債務は期日に元本を返済しなければならないわけですが、自分の国の通貨での借金なら、まして借りている主体が国なら、言ってしまえばお金を刷れば返済できるのよ。
でも他国の通貨で借金した場合、償還時にはその他国通貨を調達して支払わなければならない・・・もしそのとき、自分の国の通貨が安かったら、外貨での資金調達には莫大なお金がかかる・・・・そうなると外貨が調達できなくて、債務の返済ができなくて「デフォルト」になることもあるのです。
アルゼンチンとか過去、国がデフォルトしたのはみんなこれが理由。
で、アメリカの長期外貨建て無担保優先債務って何?
私はみたことがないの。
アメリカ国債は、ぜんぶアメリカドルで発行されているのよ。
つまり、アメリカ国債の格付けが下がったわけじゃないのよ。
私たちは安心してアメリカ国債を保有し続ければいい。
それより、機関投資家はこういうとき売らざるをえない局面もあるので、そのため今みたいにアメリカ国債の値段が下がったのなら、絶好の買い場よ。
簡単にいうと、機関投資家の中には「発行体格付けAAAの銘柄の比率を〇〇パーセント以上に維持」みたいな条件のポートフォリオを運用している人たちもいるの。
そうなると、アメリカ国債の保有比率を減らして、他のAAAの国、ドイツ、デンマーク、スウェーデン、オーストラリアみたいな国の国債に入れ替えるというオペレーションが発生するの。
機関投資家って大変ね。
私たちは、そんな売り物を安く拾えばいいんだわ。
昨日今日にアメリカになにか起こったわけではないし、世界の基軸通貨は米ドルだし、米国債格付け自体はAAAのまま。
それが割安なんですもの。ラッキーだわ。
みなさまも、ニュースがでてきたとき、しっかり状況を理解してから行動してね。
わたくしがなるべくブログで解説するようにするわ。
おいしかったランチシリーズ!
先日がんばって箱根まで愛車MINIでドライブしてみたんだけどその時、彫刻の森美術館の近くでいただいたお蕎麦。地元の人もたくさんで、とてもおいしいお蕎麦なのよ。
それではみなさまごきげんよう。