マリーの部屋

人々の幸せを願うマリーが、投資、資産運用、キャリア、受験、子育て、金融について語ります。金融機関勤務25年超。東京大学経済学部卒。

マリーの部屋 ー お金のこと75 金利上昇で地銀が大変?

みなさまごきげんよう。
お元気でお過ごしかしら。


また今日も新聞記事を引用するわ。


これと同様の記事が、確か半年前にも出ていたはず。定期的に出るのよ。日経新聞が好きな記事のパターンの一つよ。
今後はそう思ってご覧になってね。


「金利上昇が起こると大変!」ということを表現したいみたい。


正しい状況を理解するために大切なのは、債券は株と違って、「持ち切り」という投資方法があるということ。



「株価が下がる」ということと、「債券価格が下がる」ということが意味することはちょっと違うのよ。


先日ブログでも解説しました。


ですから、そもそも「持ち切り(満期保有)」という投資手法で債券を保有していた場合、途中の債券価格が、金利上昇等で下がってしまったとしても、それはいいの。たんなる計算結果であって、償還時には100で償還される状況が変わったわけではないのです。償還時に満額償還よ。


大きく価格が下がって会計上「減損処理」した場合、その処理によってあたらしい時価に洗い替えしていったん損失を計上したという意味です。その債券も、持ち続けてさえいれば償還時の100に向かって、値段が年々上がっていく。そのため、来年以降は「評価益」が計上されるでしょう。
評価益が出ているときは、不思議と記事にならないのですが・・・。


私が機関投資家と話している限り、金利が上昇して債券の含み損がでたとき売却する投資家はほぼいない。


(社債を保有していて、その発行体の会社のビジネスがうまくいかなくて、クレジットスプレッドが拡大して、債券価格が下落したときは売っちゃいますけどね。)


ですから賢いみなさまは、このような記事が出たときに
「日本中の地銀が、金利上昇のせいで、何兆円もの損害を被っていてやばい」
みたいに、あおられないでください。
持ち切り=満期保有=償還日まで保有して100%の元本を受け取るので大丈夫。


債券は償還時に額面100%で元本がかえってきます。
国債の場合、国がその100を保証してくれるのです。


債券と株の違いがよりわかってきたかしら。


いろんな報道は、けっこう「テキトー」なこともございますから、皆さまは正しい知識をもって、正しく理解してくださいね。


おいしかったランチシリーズ!

恵比寿のブルーパパイヤのランチ。
この右上の空揚げとサラダ、写ってないけどスープは食べ放題なのよ。それで、ひとり1100円(税込み)。
このあたりではかなりお得、として、いつもお客様がいっぱいなの。


それではみなさまごきげんよう。

×

非ログインユーザーとして返信する