いらっしゃーい。
こんばんは。

あら、ごめんなさい。週末来てくれたのね。
お店閉めていたのよ。
お友達と一緒に、京都まで紅葉をみにいっていたの。

（東福寺）

美しかったわ。
どこを回ったかは、今度別の機会にご紹介するわね。

紅葉の季節だけでなく、京都は何度となく訪れた場所。
はじめて訪れたのは、高校の修学旅行。
東日本大震災のときは、放射能から避難ってことで、１０日間くらい泊まっていたしね。

人によって、京都の好きなところってわかれるわよね。
とにかく嵐山が好きって人もいるし、
いやいや哲学の道でしょう、とか
清水寺は外せないとか。

あたしの場合は、なぜか毎回必ず行くことになる、そう、行くってきめてなくても、なんとなく足が向いてしまうのが「三十三間堂」なの。

京都駅からも近いしね。

あなたは行ったことがあるかしら？
千手観音が千体並んでいるの。
圧倒的な風景よ。
ひとつひとつ、違う作家によってつくられた千手観音が、お堂に隙間なく並んでいるの。
その真ん中にはひときわ大きい、ご本尊の千手観音座像。
ぜーんぶ、国宝なの。

見ているうちに、自分に似た顔の観音様とか、親類縁者、お友達に似た顔の観音様に出会うとも言われているわ。

なんというのかしら、千人の方からみられている不気味さというか、完全にこっちの負けというか、「圧倒的な数のちから」を感じるの。

千手観音をよくみたことがあるかしら。
体の前で合掌している２本のほか、両脇に４０本の手があるの。
それぞれの手が「25」の役割をもっていて、４２×２５＝１０００なんですって。

それぞれの手がいろいろ道具までもっていて、それぞれ
無病息災
五穀豊穣
学業成就
心願成就
。。。。
みたいに、意味があるのよ。
興味があったらぜひ調べてみて

ほんと、およそ想像できるあらゆる災いを封じ、あらゆる「いいこと」が起こり、そして権力も豊かさも達成する・・・もちろん長寿。そんなすべての願いが込められているの。

みていて「よくここまで思いついたな」と思うの。

なんというか
「あれもこれもぜんぶ得たい」
という、人間の欲の深さというか、そういうものにとらわれて一生をいきてしまう「人間の業」を感じるわ。
それが、千体あるのよ。

そして、そんな業の深い人間のひとりである、あたし自身の業も振り返るというか・・・
なんか、
身につまされる。
そんな場所なの。

あたしは、なんとなく日頃の自分を反省するために、いいえ、自分のことばっかり考えている自分を直視するために、三十三間堂に行くのかもしれないわ。

あたし、業も欲も深い、そう思うの。
でもそれがあたし。
C`est la vie.

もう、だまってないで、あなたも飲んで。
せめて、業が深いスナックまりーを、楽しんでください。