マリーの部屋

人々の幸せを願うマリーが、投資、資産運用、キャリア、受験、子育て、金融について語ります。金融機関勤務25年超。東京大学経済学部卒。

マリーの部屋 ー お金のこと93 年金は払うべし

みなさまごきげんよう。
お元気でお過ごしかしら。


今日Twitterを見ていたら、「年金は高齢者が若いころから払ってきたものを受け取っていて、今の若者が支えているわけではない」なんていうとんでもないTweetが流れてきたの。


完璧に間違っているわ。
でもそれをあえてTweetするんだから、この方の界隈には、本当に「年金=自分で積み立てたもの」と思っている方もそれなりの数いるんだろうなと思い、愕然としました。


まさかみなさまも、自分が積み立てたものが「どこかで」運用されて、将来返ってくる、なんて思っているわけじゃないですよね?


年金は、「賦課方式」といって、そのときそのときの現役世代から集めたお金を、高齢者に支払っています。


そのため、「高齢者が少なくて現役世代がたくさん」というときには、現役世代が払う年金は少なくていいけど(年金として配る先の人数が少ない)、「高齢者がたくさんで、現役世代は少ない」となるの、現役世代が払う年金は当然多くなります。


現役世代の年金支払額の推移は、国民年金機構のHPで公開されています。
くわしくはこちら。
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/hensen.html


これをみると、昭和35年~40年、つまり戦後で老人がすくないなんてときの、現役世代の支払い年金額は150円。
たったの150円!!!


一方いま、令和5年~令和6年の現役世代の支払い年金額は16,520円。


つまり数字だけでみると100倍も違います。


時代ごとの人口構成により「お得な世代」と「損な世代」が現れるのは、しょうがない仕組みになっています。


じゃあ、今後どんどん少子高齢化が進むんだから、年金は期待できないから、年金の支払いはやめる!
と思いますか?


たしかに、年金としてもらえるお金はどんどん「不十分」になってきます。少子高齢化ですからね。


でも、考えてみて。
日本の足元のインフレ率は3%。将来はもっと高くなるかもしれません。
日本円の価値が下がったら、今の1万円なんて、100円くらいの価値しかなくなるかもしれません。あなたの100万円の預金は、ハイパーインフレになったら、1万円くらいの価値になってしまうかもしれません。


年金の「賦課方式」は、このような事態に対応できるのです。


つまり、そのときそのときの、インフレというか、「貨幣の価値」を反映されて支給されます。そのときそのときの、現役世代の稼ぎから徴収して配分されるわけですから。


今、高齢者が毎月20万円もらっているとしましょう。
わたしたちが高齢者になるまでにインフレが進んで、今の100万円が1万円くらいの価値しかなくなったとしましょう。
そうするともらえる年金もそれに応じて毎月2000万円になるわけです。


わたしたちが高齢者のころは現役世代はもっと減っているのは確かなので、いまみたいにもらえないかもしれません。
でも、そんなハイパーインフレになったら、毎月2000万円はムリでも、1500万円くらいもらえる計算になるわけです。


つまり、インフレにちゃんとついていけるという大きな利点をもっているのもまた、「賦課方式」なのです。


老後なんてまだまだ先の方。
今後日本円や、世界のインフレがどうなっていくか、わかりません。
それなので、ちゃんと年金をはらっておいて、「将来年金をうけとる権利」を保持しておくことはとても大切なのです。


わかったかしら?
ちゃんと年金はお支払いしてね。


私今月はお誕生月なので、たくさん外食をする機会があります。
その中でも、大好きなイタリアンに参りました。
西麻布の「アッピアアルタ」。実際に食材をみて、お店の方と相談して調理してもらいます。
前菜にいただいた、花ズッキーニにモッツアレラを詰めてあげたもの。
メインでいただいた子牛で作ったサルティンボッカ。

それではみなさまごきげんよう。

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