マリーの部屋 - お金のこと71 あなたとプロ機関投資家
みなさまごきげんよう。
お元気でお過ごしかしら。
わたくしね、最近個人投資家の方からご相談をうけたりしているの。
そうすると、「〇〇銘柄を先週買えばよかった」というお話から、「自分はこういうポジションをつくって、大勝ちしてFIREした」
みたいな、「マーケットのタイミング」のお話がよくでてくるの。
そして、そういうタイミングをはかるみたいな、情報商材がけっこうなお値段で売られています。
でもね、みなさまよく考えて。
本当にタイミングを読めるとしたら「プロ機関投資家」はとっくに大儲けしている、というか常に機関投資家が同じように動くから、マーケットは変動しなくなるわよ。
個人投資家が「タイミングで勝った」場合、それはたまたま「運がよかった」ということ。
プロ機関投資家、保険会社や銀行、運用会社は、何万人もの従業員をかかえ、スタンフォードとかハーバードをでたような頭のいい人もたくさんで、お給料も何千万円もはらっていたりする。そして、都心の一等地にオフィスを構え、最新の情報端末をそろえて、大変なコストをかけて投資をしているのよ。命をかけて取引をしているといっていいわ。
一日に何兆円もの取引が行われています。
そんな中で、個人投資家は吹けば飛ぶような存在で、実は、プロ機関投資家はマーケットでは個人投資家の動向は誰も見ていません(個人向け投信を作るときには調査するけど)。
その獰猛な動物たちのようなプロ機関投資家が戦っているマーケットの中では、個人投資家の存在はアリさんくらいなもんです。
しかも、情報もプロにくらべたらほとんど持っていない。
だから、プロ機関投資家には勝てないんです。
それを忘れないことが大切ですわ。
でもそんな機関投資家に個人投資家が勝てる方法が一つだけあります。
それは「時間を味方につける」ということ。
つまり、長期投資です。
上に、「命をかけて取引をしている」と書きましたが、彼らは本当に命をかけています。なぜなら、運用成績が悪かったら「クビ」になるから。大変厳しい世界です。
そして、その運用成績は基本的には、四半期~1年ごとに見られます。
なぜなら、お金をあずけている年金や、保険契約者や、株主に対して結果を開示しなければいけないから。
そこで、(他社より)成績がわるいと、「ほかに頼むよ」とお金を預け替えられたりします。会社として死活問題。
だからね、プロ機関投資家は長期目線をわすれないようにしつつも、結果は短期で出さなければいけない。
リーマンショック後に極端に大きく市場が下落したのはこのため。
プロ機関投資家が含み損に耐えきれなくなって、投げ売りしたってわけ。
一方個人投資家は、そういうとき投げ売りする必要はないわ。
長い目で資産を持つことができる。
個人投資家の最大の強みよ。
だから私たちは、短期的な、数か月とか1年の市場の動きで売買をするより(機関投資家よりも売買コストがかかっちゃうし)、長期的にいいなと思うものをずっと持ち続けたり、長期積み立て投資をするのが一番よ。
とくに、グローバルに株や債券や実物資産に分散投資をしていれば、長期的に世界の経済成長と同じくらいの利回りで資産は成長します。時には、大損の年、すごくもうかる年とかあるかもしれませんが、長期的には経済成長率と同じくらい、7%くらいで資産は増えていきます。
7%ってすごいわよ。10年で2倍、ってことだから。
私たちは、短期売買で疲弊するより、腰をすえて、「プロ機関投資家ができない長期投資」をすべきなんです。
短期売買を否定しないのですが、短期で勝てたのは「たまたまラッキー」と思って、あまり資産をつっこみすぎないでくださいね。
大きなポジションをもって、短期の市場の動きでイライラするより、積み立て設定してあとは放っておけばいいのよ。
それでおいしいものでもいただいたほうが、人生楽しくない?
(先日PEの社長といった、広尾の老舗イタリアン「ビスボッチャ」。手長エビのクリームパスタとからすみのオイルパスタよ)
それではごきげんよう。