マリーの部屋 ー 王子の子育て③ トーマス理論
みなさまごきげんよう。
お元気でお過ごしかしら。
先日ね、ひさしぶりにはとこ?にあったの(いとこの子供ってなんて呼ぶのかしら)。
彼女から幼児教育について聞かれたわ。
小さい男の子を子育て中ですの。
ほら、英語の教材とかちっちゃいこ向けのがいろいろあるじゃない。
知育玩具とか。
マリーさん、何がよかった?って聞かれたわ。
わたくしそういうものに造形が浅くて・・・
なんといっても王子たちが小さいときは公務も忙しく、とてもじゃないけど、知育なんて考えていられなかったもの。おっきくなれば安心だったというか・・・。
毎日生き延びることしか考えていない・・というか。
だから、「毎日ご飯をあげて、清潔にしていけば、大きくなりますわよ。」
と申し上げたところ
「そういってもらえると、安心します(でも全然参考にならない)。」とお返事が返ってきました。
でも本当なんですもの。
放置をしていたわけではありませんのよ。きちんとした、まともな大人になるためには、そして本人が幸せを感じられる人生をおくるには、しつけ、とか、広い意味での(お勉強に限らない)教育とか大切だと思っております。
そんな男の子の子育てで、いろいろ発見がございましたが、そのうちの一つが「トーマス理論」でございます。
「機関車トーマス」って子供向けの番組ご存じかしら。
私はあの中に、すくなくとも男の子の子育ての神髄があるような気がするって、ずっと思っているんです。
どんな番組かというと、機関車やヘリコプターといった乗り物が擬人化されていて、毎回トラブルを克服したり、お友達(機関車同士)とけんかして仲直りしたり、冒険に出たりといったような他愛のないお話ですのよ。
そう、幼稚園でも子供同士で繰り広げられているようなドラマ。
それを機関車とか乗り物が演じるんだもの、乗り物好きの男の子の心を、ぐっとつかむの。
その世界にはね、一番上に経営者と思しきトップがいて。
「トップハムハット卿」っていうの。
この人だけは人間。
このトップハムハット卿が番組の最後に、トーマスやその仲間たちにたいして「You are really useful engine. (君は本当に役に立つ機関車だ!)」
と言うの。
それを聞いた機関車たちは、狂喜乱舞するのよ。
もちろん番組をみている王子たちも喜ぶの。
あ、これ使える、と思いましたわ。
それから、王子達がいいことをしたとき、とか、お手伝いをしたときには、「本当に役にたったわ。ありがとう。」と喜ぶようにいたしましたの。
そうすると、王子達もとてもうれしそうにして。
そして、また「役に立つ」っていってもらいたくって、自然といいことをしたり、お手伝いをしてくれましたわ。
なんか「役にたつ」と言われると、自分がモノ扱いされているようで、私はちょっといやです。女友達にきいてもそういう人は多いわ。
でもね、男の子は純粋に喜ぶの。
男の子の子育てにのみ、役立つ理論なのかもしれませんわね。
でもね、思うんです。
誰かの役にたちたい、だれかのためになりたい、助けたいって、人間の根本的な本能なんじゃないかしら。
そして私たちはそんな気持ちを原動力に、よりよい社会を作ってきたのではないかしら。
太古の昔から、助け合って生きてきたし、世の中のためやみんなの役にたちたくて、発明っておこったんじゃないかしら。
そんなふうに思います。
ごきげんよう。