マリーの部屋

人々の幸せを願うマリーが、投資、資産運用、キャリア、受験、子育て、金融について語ります。金融機関勤務25年超。東京大学経済学部卒。

マリーの部屋 ー お金のこと㉚ 資産運用のゴールって?

7月17日に投稿したブログに重大な誤りがあったため、修正して再投稿しています


みなさまごきげんよう。
お元気でお過ごしかしら。


先日わたくし、町をあるいておりましたら呼び止められましたの。
「マリーさま、わたくし資産運用をしているんですが、どこで止めたらいいんでしょうか?資産運用のゴールってなんですか?」


なるほど・・・
よくあるお答えとしては
ー資産が、老後に必要だと政府がいう2000万円になったとき
ー1億円!(単なるガッツフィーリング)


とかそういう目標額です。


でもみなさまよく考えてみて。
何のために資産運用しているのでしょうか。
もちろん、近い将来の、留学資金とか自宅購入の頭金みたいなのはあるでしょう。


でも、まるっと私たちがイメージしているのは、
「老後資金」
なのではないでしょうか。


で、老後っていつでしょう?
これは定義してしまえばいいだけのお話なのですが、


老後=ほとんど働かなくなって、生活費を年金と貯蓄で賄わなければならない期間


こう考えるとわかり易くないかしら?


わりとよくあるパターンですと、それは、
老後=会社を退職して以降

ということになります。


退職っていつ?
定年延長とかいろいろ報道でききますが、延長できたとしても60歳を超えると、年収はがくっと200-300万円とかに減ることもよくあるパターンです。


そういう意味では、60歳、って思っておいてもいいですわよね。


一方で日本人の平均余命は・・・


厚生労働省が発表している数字だと、
今60歳の人の平均余命は、
男性 22.8年
女性 28.3年


つまり、60まできたら、その後、男性は83歳くらい、女性は88歳くらいまでは生きるということです。


老後って長い!!!


資産運用を考えるとき、
60歳までは、とにかく入金して運用額を増やす
60歳以降は、運用しながら、取り崩し額を考える
ということが大切になります。


最初の質問に戻りますね。
「資産運用のゴールって何でしょう?」


自分が死ぬときに、金融資産がゼロになるように、
正しく運用し、正しく使うことに尽きます。


2000万円までお金つくるとか、1億円もつとか、そんなことではありません。
運用しつつ、取り崩しながら、老後を豊かに生きるためにどうするか、ということなのです。


さあ、計算してみましょう。
「資産運用シミュレーション、取り崩し」
とググると、たくさんのサイトが出てまいりますわ。


わたくしたまたま、三井DSアセットマネジメントのHPで計算してみましたの。


取り崩し開始年齢:60歳
そのときの金融資産:3000万円
運用利回り:5%を仮定
毎月の取り崩し金額:20万円(隔月で40万円)


計算してみると79~80歳の間に資産はゼロになることになります。
足りないですね・・・・
いくつか別のシミュレーションをしてみましょう。


①がんばって65歳までは働いて、取り崩し開始年齢を65歳にする(あとの条件は変えない)
84~85歳の間にゼロになります。うーん、ギリギリたりない???


②引退までの金融資産を4000万円にまで増やす(取り崩し開始60歳、その他上記の条件は変えない)
96歳でゼロになります。いけそう?


③毎月の取り崩し額を15万円にする(隔月で30万円。その他上記の条件は変えない)
96歳でゼロになります。いけそう?


毎月20万円資産をとりくずす前提だと、60歳時点で資産3000万円で引退生活に入るのはちょっと心配ですわね。
何ができるかというと、取り崩し開始をなるべく遅くし、取り崩し時点での資産を増やし(今のうちに頑張って積み立て!)、それでも足りないようなら、毎月の取り崩しを少なくする・・・


ちなみに、60歳までに5000万円つくることができ、毎月の取り崩しが20万円だったら、計算上資産は減らないどころか引退後も増えていくことになります(単純に考えると、5000万円の5%(運用利回り)は、250万円。月20万円の取り崩しは、年額にすると240万円)


でもそのときの公的年金の金額とか、インフレとか、突発的な出費を考えると月20万円の取り崩し前提では足りないかもしれません。
だからこそ、今、世界のインフレについていくべく、グローバル分散投資をやっておいて、引退時に1万円でも多くの資産をつくっておくことは大事だなあと思います。


わたくしの場合、退職時にはお城に住めなくなりますから、おうちを買う金額をプラスで作らなければなりませんわ・・・


こうやって計算してみると、いろいろつまびらかになりますわよね。
今は、いろんな運用機関や金融庁がたくさん計算ツールを公開しています。
自分でエクセルで計算するよりずっと便利。


ぜひ、おじいちゃんおばあちゃんになったときのことを考えて
①資産運用する
②いっそ、副業や転職で、稼ぐ金額を増やす


ことを改めて考えてみてくださいね。


それではごきげんよう。


(前回ブログに書いてしまったこちらの計算ですが、取り崩しが「隔月」になっているのを見落としました。以下の計算は間違えです。ゴメンナサイ。)
取り崩し開始年齢:60歳
そのときの金融資産:3000万円
運用利回り:5%を仮定
毎月の取り崩し金額:30万円 ←ここが間違え。隔月で30万、つまり毎月15万円でした

計算してみると、96歳で、だいたいゼロになります。

(おばあちゃんになっても、たまにはおいしいお寿司をいただきたいわ・・・)

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