いらっしゃーい。
こんばんは。

どうした？モーレツ営業マン。
なんか今日は暗いじゃないの。

ははあ、後輩の営業マンに、先月は成績で負けたんだ。
落ち込んじゃうのはしょうがないわ。
よしよし。
まずは飲んで。

（先日の九州旅行の一幕。長崎空港で、昼から壱岐ゴールド　ソーダ割）

自分のやり方がまずかった！？後輩と同じようにやってみる！？
なにいってるのよ。営業が個性消して、いいことあるわけないじゃない。

私も営業だったでしょ。体験談をちょっとお話させて。

大学を卒業して、新卒で入った会社の話。
はじめての社会人。
学校とは違いそう、とは思うけど、何が起こるかはわからないわよね。

しかも、９０年台、まだまだメジャーではない外資系証券。
新入社員研修も、名刺の渡し方くらいで、まあ、皆無といえるわね。
初日から、暗闇にいる？いいえ、どこに何があるかわからない、お化け屋敷を歩いている、というか・・・・五里霧中でした。

あたしが最初に、ローテーションでお世話になることになったのは、外国債券営業部。
お客様が出勤する前に、前日のNYや欧州マーケットを総括して、情報提供をすることから一日がはじまります。
ええ、スマホもない時代なので、会社にいって、ブルームバーグやロイターをみないと情報はとれません。

まず、情報を集め、新人がそれをレポートにして、社内配信することからスタート。
そして８時くらいから、それをもとに、営業マンが一斉に、機関投資家にお電話をします。

新人だったあたしは、６：３０くらいに出勤していました。地下鉄千代田線はがらがら・・・
帰りは２２時くらいになりますから、私は数年間、地下鉄がぎゅうぎゅうになる、ということを知りませんでした。

で、新人の朝。
度肝をぬかれたわ。
営業マンが一斉にお客様に電話をしはじめたとき・・・
「コケコッコー！」という大きな声。
続いて「おはようございま～す！」って。

お客様が電話に出た瞬間に「コケコッコー」よ。
ありえる？
と思ったんだけど、ご本人にきいたら、
「お客様も面白がって、朝いちばんにその声をきかないと気がのらない、といって、朝イチの電話はぜったい僕の着信をとる」
ですって。

情報提供なんて、一社からきけばだいたいわかるから、電話をとってもらえない営業マンもたくさんいるのよ。
あるいみ熾烈な戦い。
勝つためには、コケコッコーくらい、簡単ってことね。

ほかにもいろいろなベテラン営業がいたわ。
そのうちのひとりは、ぎりぎりに出勤して「オタクなお客様」に電話するの。

オタクなお客さまは、自分で情報をとってマーケットを分析するので、証券会社の営業からの情報なんていらないんですって。
だからそのベテラン営業マンは、その方にお電話して、「昨日のNYどうだった？教えて」といって、前日の情報をぜんぶいただいていました。
オタクお客様も、熱心にお話をきいてもらえるので、大満足。

で、その詳細ち密な情報を、他の機関投資家にお電話してお知らせするの。
そのベテラン営業マンは「お客様のニーズにあわせているだけなんだよね～合理的だし」といっていました。

最初の日々は、こういう際立った？個性強い営業マンの所業を朝から晩までみていて、熱がでそうだったわ・・・

しかもねえ、９０年代の外資系証券・・・そういう個性強いベテラン営業が、フェラーリのオープンカーとかで、赤坂のオフィスに出勤するのよ・・・・
クラクラしたわ・・・・

まりーちゃん、ランチ行こうよ！っていわれて、ついた先がオークラの「久兵衛」だったり。小僧寿しくらいしか知らなかったから、罪悪感さえ感じたものよ・・・。親に言っちゃいけない、と思って。

あのベテラン先輩たちはいま、どうしていらっしゃるのかしら・・・
いまでも連絡をとるのは１０歳くらい上までの先輩たち。
あのときのベテラン、２０歳くらい上の方々は、さすがに連絡をとっていないわ・・・リストラや転職で、ご一緒した時間も平均２－３年くらいでしたし。

どうしてるのかな。
ハワイとかドバイで老後を送ってるのかな・・・。
孫とかに囲まれてるのかな・・・。

人生いろいろですね。

そう、
「普通こうじゃない？」
とか
「これが常識でしょう」
とか
「みんな、こうしてるし」

みたいなものにとらわれず、自由にやったほうが、うまくいく、いいえ、うまくいかなくても、人生楽しいような気がします。

そして、その価値観をそのまま持ち続けているのよ、あたしは。
だからね～転職も８回もしているし、刹那的に生きているけど、人生、年々たのしくなるわ。
自分色、がはっきりしてくる感じ。

だからあなたも難しく考えないで。
あなたのやり方ができるのはあなただけ。
他の人のマネなんて、する必要ないのよ。

ね。
うふふ。
飲みましょう。