マリーの部屋

人々の幸せを願うマリーが、投資、資産運用、キャリア、受験、子育て、金融について語ります。金融機関勤務25年超。東京大学経済学部卒。

マリーの部屋 ー お金のこと㊷ 最近の相場

みなさまごきげんよう。
お元気でお過ごしかしら。


先日、某大学の経済学部教授とご飯にいきましたの。
三の橋の近くの鉄板焼きやさん、「acalli」。大好きなお店だわ。私はできる限り鉄板前のカウンター席をお願いするの。丁寧に丁寧に食材が調理されているのを見るだけでも幸せです(この日はフィレ肉を少し)。


いろいろキャッチアップをしたあとは、やはり最近の相場の話になって。今日はそのときの議論をご参考までにちょっとだけご紹介いたします。


教授は、
「FRB(米連邦準備理事会)はぜったい、まだまだ利上げをする。インフレを抑えこむだろう。」
と力説していました。


「でも、利上げによって不況になったらまずいわよね。ある程度モデレートにするんじゃない?」


といったところ、教授は
「いや、考えてもごらん。もし自分がFRBの理事の一人だったらと。ここでインフレを抑えこまなかったら、金融政策に失敗したFRB理事として、後世にまで悪名が残ることになる。中央銀行員として、これほど辛いことはないよ。
景気が後退することになっても、インフレを抑え込むはずだ。」


なるほど、自分がFRBの理事だって見方、したことがなかったわ。そうやって見ると確かにそうかも・・・。


先週のマーケットはひどかったですわよね。いずれも、アメリカがまだまだ利上げをするということをどんどん市場が織り込まざるを得なくて、
株安&円安&債券安になったのは皆様ご存じよね・・・・


「為替はどうなるのかしら。今後もFRBが利上げをしていくとなると、日米金利差はどんどん開いて、どんどん円安になるってこと?」


「まりーさん、為替だけは、理屈ではないんだよ。それは君も覚えがあるだろう」


たしかに・・・
あれは私がまだまだ新人時代の1998年。わたくしは証券会社のデリバティブデスクで、デリバティブの相手先にマージンコール(担保追加)のお電話をするとかの、下働きをしておりました。


10月のある日、私がついていくことになっていたお客様とのアポイント、アポをとった部長が「マリー、今日はそれどころじゃないから、君ひとりで行っておいで」と言われたの。
見るとドル円が急落しており、一日にして135円から117円に暴落したのよね。

(1998年のドル円為替レートのグラフ)


あまりの急落にブルームバーグのグラフが追い付かなくて。
リアルタイムでは、グラフの線が消えて見えませんでした。ちょっとしてやっと、縦に一本のすごいグラフになって。


お客様のところに一人でいかなければいけない恐怖感もあいまって、ものすごい印象的な体験でした。


確かLTCMというヘッジファンドの、為替のキャリートレードの巻き戻しが原因だったはず。


理屈ではなく為替は動く、という強烈な体験でした。


教授は、「為替は長期的には、円安方向だけど、一筋縄ではいかないと思うよ」と。
おっしゃるとおりですわね。


2022年は、株も債券も売られて、ドル建てでみると、すべての資産クラスがマイナスリターンとなるような珍しい一年になるかもしれません。


たまにあるのよ、こういうことは。2013年もそうだったんじゃないかしら?


私たちは、長期分散投資で目減りする円資産をなんとか防衛しているだけなので、こういう難しい相場のときは、じたばたする必要はないわ。


ポジションは決してうらず、にぎりしめたまま、パソコンを閉じておいしいものでも食べにいきましょう。


それではみなさまごきげんよう。

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