マリーの部屋

人々の幸せを願うマリーが、投資、資産運用、キャリア、受験、子育て、金融について語ります。金融機関勤務25年超。東京大学経済学部卒。

マリーの部屋- お仕事の評価

みなさまごきげんよう。お元気でお過ごしかしら?
みなさまのご趣味は何かしら?
わたくしはたくさんあるけど、体を動かす系ではゴルフかしら。
スコアはやばめよ。でも、あの整備されたグリーンをお友達とお散歩しながら談笑する、そんな雰囲気が大好き。


昨日はわたくしのゴルフの先生と、両国にちゃんこをいただきにいきましたの。ちゃんこは塩とか味噌とかいろんな種類があって・・・って、普通の鍋と何が違うの???
たぶん、経営者が元お相撲さん、とか、場所が両国、とかお相撲テイストがはいった鍋やさんのことを、ちゃんこ屋、っていうんでしょうねえ。


このゴルフの先生、先生は副業兼趣味って感じで、本業は清掃業の会社を経営していらっしゃるの。なにやら、深夜3時くらいから作業して、朝には終わらせるお掃除のお仕事を受注したらしく、毎朝(夜?)2時過ぎには起床されるのですって。そのため先生とお食事にでかけるときには、わたくしも公務を早く切り上げて5時くらいにはお食事の場に行けるよう調整いたしますの。


先生は会社を経営していらっしゃって、従業員も何十人もいらっしゃるのよ。私だったら、そんな3時からの仕事、自分だけではなくて、従業員にもやってもらうわ。
でもね、かたくなにそのお仕事はご自身でやられるのよ、先生は。その理由はたくさんあるみたいでしたわ。従業員に頼みにくい、とか、その作業は早朝だからその後にラウンドできる、とか。従業員に頼みにくいといったって、お仕事なんですから、深夜手当をつけたりしてなんとかなりそうですけどね・・・。


わたくしが「ふーん」と気乗りしない(というか全く共感できない)感じでいたところ、先生はさらなる理由をおっしゃいました。


「娘たちに、父が頑張っているところを見せられていると思う」
わたくし、びっくりしてしまいました。確かに頑張っているかもしれませんが、なぜ、それが、娘たちにポジティブにとらえられる、と思われるのかしら?
もしわたくしが娘さんでしたら、「50を過ぎてまで、朝3時から仕事するなんて、むっちゃブラックだし、悲惨。ムリ」と思いますもの。でも先生は「おやじがんばっている」と尊敬されるイメージを持っていらっしゃいますの。


わたくしこの時、我が国のいろいろな職場の、根深い問題を感じましたわ。
わたくしが以前いた職場でもありましたもの。夜遅くまでパソコンに向かっている社員に対して役員が「おう、頑張っているな!」と言ったり。年度末に「彼は遅くまで会社で仕事をしたり、休日出勤もして頑張っている」と評価したり。
はっきりいって、仕事はできない、成果を出せない社員だったわ。


変な時間、休日、深夜早朝に働く=「偉い」「頑張っている」
ってまったく間違っていると思いますの。本人が仕事が楽しすぎて遅くまで会社にいるのはいいんです。でもそれは頑張っている、会社として評価する対象、というわけではない。
https://marienoheya.muragon.com/entry/7.html


仕事の評価は、あくまでアウトプット、会社にどれだけ貢献したか、ということなのではないかしら。
ただ単に、変な時間に汗を流した、ということを評価する意味はあるのかしら。


わたくしは無いと思います。
そして先生に申し上げました。
「深夜3時に働くことが、どういう意味があるのか、考えたほうがよろしいんじゃないかしら。お嬢様は、そんなブラックいやだと思っているかもしれない。経営者として(変な時間に実務をするのではなく)悠々と稼いでいるほうが、かっこいいと思うかもしれない。また社員の中には、深夜手当が出るのなら、喜んでその仕事をする人がいるかもしれない。さらに深夜3時から働いている経営者を、汗を流している、というだけで尊敬する従業員が本当に存在するのでしょうか。それより新たな提携先やビジネスを見つけたりして、会社を豊かにし、ボーナスを出すほうが尊敬されるのではないかしら?深夜3時から働いていてはそのようなことを考えるお時間もないでしょう・・・」
先生は「たしかに」とおっしゃって、理解はしてくださいました。
でも変われるのかな。
変われないかもな。
変わりたくないのかもな。


我が国の、変な時間、休日、深夜早朝に働く=「偉い」「頑張っている」
という文化は、あと10年くらいたてば消えるように思います。
なぜならそれは、上の世代の経済状況、すなわち
「稼働時間」=「アウトプット」
で経済が成長していた時代の価値観を引きずっているから。でも、それは時間とともに消えるえしょう。


長い時間働いているから、って安心している社員は、どんどん評価が下がる。
そして同時に、アウトプットを出せる社員が評価されていく。


時間ではないのよ。アウトプットですの。
わたくしが当然と思っていることを、意外と身近な方が全く知らなかったことを知って、驚いた夜でした。


みなさまごきげんよう。

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