マリーの部屋

人々の幸せを願うマリーが、投資、資産運用、キャリア、受験、子育て、金融について語ります。金融機関勤務25年超。東京大学経済学部卒。

マリーの部屋 - お金のこと㉒ 勝利の鉄則 時間を味方に!

みなさまごきげんよう。
お元気でお過ごしかしら。


みなさま、投資の基本は「分散投資」というのはご存じよね。
そのテーマについてだけ解説しているのはこちらの回。


でもね、ネット上では個人投資家の皆様が「東京海上株、一本買い!」みたいな感じで個別銘柄を買われていたり、
「アメリカ株がだいぶ落ちたから、レバナスに入るなら今!」
とかおっしゃっているの。


そう、個別銘柄とか、個別ティッカー(インデックス、ETF)に集中投資。
そして、頑張ってタイミングをはかっている。


チャートなんかで分析している方もいらっしゃるわ。


でもみなさま考えてみて。
プロ機関投資家のことを。
プロ機関投資家は個別銘柄を選ぶために、ものすごくたくさんの企業研究をしているのよ。実際に企業の経営者とお話したり、業界分析をしたり。それから機関投資家同士の意見交換も日常茶飯事だわ。
もちろん、経済ファンダメンタルや為替の分析もする。


その研究をするために、何人のアナリストやエコノミストを張り付けているでしょうか。
その方たちを抱えるお給料は総額いくらでしょうか。
何十時間の時間を毎週使っているでしょうか。


何十億円、いえ何百億円という膨大なコストをかけて運用のための調査をしているのです。


そして、最新のパソコンを使って、高い費用を払わないとみられない情報端末(有名なものではBloomberg)を駆使して、
自分のキャリアをかけて真剣に日々マーケットのことだけを考えているのが
機関投資家
なんです。


私、アメリカ資本の世界でも最大級の運用会社に勤務していたから、彼らがどれだけコストを払って研究し、コストを払って取引をしているか、目の前でみてきました。
NYやロンドンにも何度も視察に行ったわ。
現地の運用ポートフォリオマネジャーが、どれだけ命をかけてアメリカ株とか、米国国債とか取引をしているか、目の当たりにしました。
文字通り命をかけて。
あんまり運用成績が悪いと、クビになっちゃいますからね。


わたくしが申しあげたいのはね、
いくら個人が頑張っても、機関投資家ほどの研究はできないし、そんな時間もないし、なにしろプロ機関投資家同士の貴重な情報交換の輪にははいれない。


そんな個人がいくらがんばっても、「たまたまラッキー」以外では、
プロ機関投資家よりいい取引はできない。


これはもうしょうがないわ。
彼らは「持っている」。わたしたち個人投資家は「持たざる者」。


でもね、下げ相場、マーケットが難しいときって、機関投資家は無理やりでもポジション解消しなければいけない局面があるんです。
詳しくはこちらをご覧になってね。


そう、バフェットさんがいう「Buy the dip」の考えはこのへんからもきているわね。
機関投資家が泣く泣くポジションを売って、値段がどんどん下がるとき、それを拾うという危険行為ができる人は少ない。当然、そのぶん利益も上がりやすいの。


でもね、みなさま気を付けて
「ほんとうの底を見極めることはだれもできない」
つまり、本当の底がわかるのは、完全に相場が上がってから。
あとから振り返る以外の方法ではわからないのよ。


だから、Dipで買おうと思うと、しばらくは値段が下がり続けるのに買い続けるという
精神的に非常に辛い行為
をしなきゃいけないんです。


そんなのつかれるし、それで本業のお仕事がおろそかになっちゃったら、それこそご自身の将来の昇進やお給料に響くかもしれない。
うんと暇な方以外には、おすすめできませんわ。辛いもの。


それ以外で個人投資家がプロ機関投資家に勝てる唯一の方法が
時間を味方につける


機関投資家の多くのポートフォリオマネジャーも
「この株や債券、今売らずに10年もっていれば確実に利益がでるのに」
とわかっている方がほとんどよ。


でもサラリーマンですもの、会社の決まりで売らなきゃいけないの。


一方、個人投資家は、会社の決まりがないし、10年とか長期に保有し続けることが可能なのですわ。
これは最大の強み。
機関投資家が会社のきまりで売らなきゃいけなくなって、その動きによってさらにマーケットが下落しているのを横目に
私たちは、もっているものを握りしめて。決して売らないで。


彼らが売っている最中にわたしたちも売ったら、さらに値段が下がるし、彼らの巨大な取引額のあおりをくらうだけで、いいことなんて何もありません。


そしてね、さらに強いのが、
「積み立て」


自動的に積み立てをしていれば、後で振り返って「相場、マーケットの底だったな」と思えるタイミングの前後でも自動的に買えているわけで、
知らないうちにバフェットさんのいう「Buy the Dip」できちゃうんです。


もちろん高値掴みもありますわよ。
でも10年以上保有することを前提とすれば、
グローバル分散したポートフォリオは、世界経済成長の平均に収束する
わけですから、まあ、いずれにせよ長期的には上がることがほとんどです。


SP500のグラフでもみてみて。一目瞭然よ。


先日ね、日本最大の運用会社の役員の方とご飯をたべに行ったの。
私が大好きな恵比寿のおすし「松栄」

(のどぐろの炙り、からすみがけ!お魚の甘みとあぶらを堪能♡)


そこでも、もちろん運用の話になって。


結論はやはり
「個人が勝てる唯一の方法は、時間を味方につけることですよねえ」
って。


マーケットが動いていると、不安だし、逆にうまいことやりたいみたいな欲とか出たりして、
感情がふりまわされます。


でもそのまま、感情のままに売買を繰り返したら、プロ機関投資家の何万倍も大きな動きに巻き込まれて、負けてしまいます。


時間を、味方につけて。


不安な相場のときは、そっとPCを閉じて、おいしいものを食べにいきましょう。
それが個人が勝てる、秘訣です。


でもね、レバレッジはやめて。詳しくはこちらに説明していますが、下げ相場で強制償還の可能性があるから。


ご質問うけつけます。
それではみなさま、ごきげんよう。

×

非ログインユーザーとして返信する