マリーの部屋

人々の幸せを願うマリーが、投資、資産運用、キャリア、受験、子育て、金融について語ります。金融機関勤務25年超。東京大学経済学部卒。

スナック まりー 営業体験記 続 経費と出張

こんばんは。
いらっしゃい。


ちゃんと来てくれたのね。
昨日の続きをお話するわ。


営業の仕事をはじめて最初のころ。
接待費が青天井で、それを使うのがかえって大変だったってとこまでお話したわよね。


そうそう。


でも、一番お金がかかるのは出張。とくに海外出張だって言ったわよね。


あたし、外資系につとめていたでしょ。
お客様がよく、「現地視察」をしたいといって、本社に海外出張するの。


1年にひとりくらいは、本社、海外の現地にミーティングのアポを自分でとって、東京支店の営業に頼らず、ご自身でいかれる猛者もいらっしゃるわ。


でもそれ以外のすべての方が、営業を通じて、ミーティングの設定をするの。


たいていの場合、「こんな感じのことを、〇月〇日の週のどこかで聞きたい」という、若干あいまいなお題をいただくところからはじまります。


さすがに、あたしがいた世界では、お客様ご自身の出張費まるがかえ、とかは利益供与になる可能性があるとかで、禁止されていたので、


お客様が海外にいらっしゃるときは、お客様ご自身の会社でその予算がとれたとき。


予算がとれると、お客様がご連絡してくださったり、
そうでなくても、こちらが、「予算とれないかな?」と張り付いているので、出張に行くタイミングは事前にたいていわかります。


海外出張にいくとき、英語のサポートが必要なお客様も多いのよ。


これについては、あたしは「どうだか」って思うのよね。
だって、早慶東大みたいなところを出た、エリートさんですのよ、みんな。


英語、わかるでしょ。


でも、不安みたいで、ミーティングの通訳とか頼まれるの。
私も、留学経験も駐在経験もないから、かなりあやしい英語よ。


でも、それは社内、自分の勤める会社の本社ですから、情報量が違います。
笑っちゃうくらい、ちゃんと通訳をしていました。

(出張に行きすぎて、ANAでファーストクラスにアップグレードしたときの機内食。KRUG(シャンパン)とキャビア♡ 揺れてたのか、シャンパンが斜めになってるわ・・・)


一日のスケジュール


8:30 お客様の宿泊するホテルのロビーにお迎え
移動
9:00 本社到着
9:30~11:30 ミーティング × 2
11:30~13:00 ランチと休憩
13:00~15:00 ミーティング × 2
15:00~15:30 オフィス見学と休憩
15:30~17:30 ミーティング × 2
移動
18:00~ レストランで接待
21:00 ホテルまで送り


こんな感じだったわ。
ミーティングはたくさん入るんだけど、すべて日本語訳をするから、実質半分の時間よ。


接待のときも、注文支払いその他、全部こちらがやるので神経を使うわ・・・


あたしが接待をするときは、だいたい前日とか、当日にレストランに電話をかけて、余裕があったら実際訪れて、メニューをきくの。
そうすると
「今は黒トリュフが旬で。ぜんぶのメニューにトリュフをおかけできますよ。プラス100ドルです」
とか、とんでもないことがわかるの!


接待費の予算が、ひとり250ドルとかよ。トリュフで100ドルとられたら、おしまいよ。


「トリュフのパンフレットは、メニューに挟まないでください!」
とか、毎回お願いしていました。

(ニューヨークで接待によく使っていた、Patroon。シーザーサラダを作っています。)


あたしの出張スケジュール。


ひどいときは、
木曜夜18時すぎの、JAL 成田ーニューヨーク便
木曜夜20時くらいに、ニューヨーク着。ホテルチェックイン、軽食、寝る
金曜 朝から上記のようなスケジュール 夜接待
土曜 朝8時ホテルチェックアウト、空港へ移動。11時くらいの便で東京に出発
日曜 午後東京着
月曜 東京のオフィスに出勤


2泊4日。
ニューヨークで、自由時間ゼロです。
日本に到着するのは、日曜の午後なので、土日もつぶれます。


で、経費。
飛行機のビジネスクラスは、会社割引で安くなりますが、80~100万円くらい。
2泊のホテルで、12-3万円くらい(ニューヨークの相場どおり)。タクシー代その他で3万円くらい。
接待は、お客様の人数にもよりますが、10万円弱。


ざっと、1日ぶんの海外のミーティングで100万円を超えるの。
ものすごい経費よね。


お客さまによっては、何日も滞在されるので、土日のごはんをおつきあいしたり、週末の観光に一緒にいったりします。


あたしの上司は、週末にレンタカーして、お客様とナパバレーまで行ったって。


楽しいんだか、楽しくないんだか。
ものすごく経費がかかるのが、海外出張です。


でね、ここが大切。
営業マンとしては、「大変」なだけの海外出張なんだけど、
海外出張に行きたい!っていう
海外育ちや留学経験者が、社内にたくさんいるの。


とくに外資系では。


その人たちは、どんな経費がでてくるか、半分たのしみ?あらさがし?で見てくるので、経費はなるべく使わない、とくに自分の朝ごはんやランチ、クリーニング代とかは、会社の決まりで経費にできたとしても、経費にしないほうがいいなあ、とかなんとなく思っていたわ。


もちろん、遊ぶための延泊なんてもってのほか。
彼らの心を、不用意にざわつかせるでしょ。


いろんな意味で、心労ばかり、というのが海外出張だったわ。
でも、海外で心細いお客様にばっちり寄り添った上に、議事録とかも作って、一緒にごはんも食べるのもあり、契約の成約率はすごく高かったです。


営業としては見逃せなかったわ。
やるしかない、って感じ。


会社が払ってくれる限り、ばんばんどこにでも出張に行ったわ。
でもそれを、事情も知らず「うらやましい」と思う内勤の人たちがいるので、そこもちゃんと忖度してね。


営業は総合格闘技ですから。


また、はなし過ぎちゃったわ。
あたし、営業の仕事が本当に好きだったし、極めたのよ。


なんでも聞いてね。
つぎの一杯は何にする?


(前編はこちら!)

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