スナックまりー 営業体験記 午後3時の女
いらっしゃーい、こんばんは。
しばらくぶりね。
あー疲れた!!だって。
それにしては、笑顔だし、大きな声出てるじゃない 笑
あなた、たしか営業だったわよね。
わかるわ~
営業の仕事って、疲れた~って思うけど、さわやかな疲れというか、前向きな疲れが多いわよね。
うふふ。おつかれさま。
一杯目は薄目につくっておくわ。
前もいったように、私は営業のお仕事が長かったの。
最初に営業のお仕事をしたのは、まだ20代のころ。
会社は外資系だったけど、ゴールドマンとか、モルガンスタンレーとか有名な会社ではなく、2番手か3番手の会社。
(その後大きな事件を引き起こして、世界中で有名になるけど)
そんな無名な会社のひよっこ営業、お客様だって忙しいもの、お電話ですらろくろくお話してくださらなくって。
お電話でもろくろくお話をきいてくださらない、
ってことは、
訪問のアポがとれないってことよね。
辛いわよ。
名前すら憶えてもらえない。
しかも、そんなことで落ち込んでいたら、どんどん電話するのが怖くなって、
そのうち、最高の恐怖
「毎日、暇。」
になっちゃうのよね~。
でね、あたし、自分の営業トークも、会社のブランドも使えない中、なんとかお客様に覚えてもらうように考えたの。
何をしたと思う?
午後3時の女、になったの。
どういうことかというと、お客様の担当者ごとに、「●●時●●分に電話する」ってきめたのよ。たくさんのお客様について、それぞれ。
お客様も忙しくて、「あ、ごめんね、今忙しいから」と電話を切ることが多いんだけど、さすがに
毎日午後3時ピッタリに電話してくる、〇〇証券の「まりー」
となると、話が違うわよ。
何日も何日も、お電話をしているうちに、覚えざるを得ない。
さらに、午後3時に毎日電話してくるのって、うるさいから、
だまらせるため?にたまにお話きいてくれるの。
そうなれば、何か月もためていた、トークがあるわ。いろいろぶつけているうちに
「あれ、これは興味ないわけじゃない?」
みたいなものがみつかるのよ。
そうすると、今度はアポなしご訪問(アポをとるのは難しかったからね)。
お客様の会社のビルの1階ロビーにいって、
「新しくできたリサーチ資料をもっててきました。今御社のビルの1階にいます。うけとっていただけますか?お忙しかったら受付においておきますね~」
ってお電話するの。
最初の数回は間違いなく、「受付においといて」よ。
でも何回か続くと、暇なとき、ふらっとでてきてくれるの。
そしてそのまま、お茶をごちそうしてくださったりして。
そうすると、あとは人と人ですもの、なんとかお客様のお話や情報を聞き出すのよ。
それでも、まだまだ取引はできなかったわ。
チャンスがくるまでは、数か月から数年かかることも。
チャンスの最大のタイミングは「異動」。
お客様が異動の辞令をもらったかどうかは、さすがに午後3時の女にはわかるわよ。
お客様も、
「こんなに頑張ってくれたのに」
と哀れみの情がでてくるから、
最後に
「まりーちゃんの商品を全部もっておいで。できるものがあるかどうか見てあげる。」
といってくださることもしばしば。
それがなくても、すくなくとも、引継ぎ表には、私の連絡先と名前が載るわ。
本当にこれがありがたくて・・・
新しい担当者には、その引継ぎ表に乗っている各社の営業マン、だれが重要で、誰が重要でないか、あんまりビビッドにはわからないの。
ですから、新しい担当者は、当然取引があるような感じで扱ってくれる
つまり、
自然に普通にアポが取れるようになるのよ。
これをくりかえしやってきたわ。
午後3時の女 笑。
番外編としては、ランチタイムにお客様がたくさんいるエリア(大手町とか)にいって、
11時過ぎから11時30分くらいにかけて、順番に
「今たまたま営業で近くまできているんですけど、ランチどうですか?」
って、だれかつかまるまでお電話するのよ。
だれかはつかまるわ。ほんとよ。
ランチ仲間、みんなほしいし、ランチだったら1時間で絶対終わるのわかっているし。
ランチは重要だったわ。
お客様と1対1で、1時間もお話できるし、すくなくとも頼んだランチメニューから何気ない会話がはじまる。お肉お好きなんですか~?とかね。
あんまり話が弾まなくて気まずくても、1時間でおしまい!お互いさっぱり、わりかん!
(営業活動中は、カロリー気にせず、ラーメン、どんぶり、ハンバーガー!!
なんでもいただきます♪)
これらを楽しめるようになると、体力気力を使うから疲れるんだけど、まあ、充実してくるわよね~
え?お客様にアポを断られるのは、つらい?
なに言ってんのよ。
自分だって、不動産営業の電話とか家にかかってくると、どうせ断ってるでしょ。
でも電話をかけてきた人を否定しているわけじゃないでしょ。
同じよ。
断られても、あたしの人となりが、断られたわけじゃない。
それをね、すっと理解できると、こわいものはなくなるわ。
あたしは同時に、自分に対して電話をかけてくる営業マンや、お店の店員に優しくなりすぎちゃって、これはこれでどうか、と思うんだけどね 笑
時間がかかるかかる 笑
明日から、ちゃんと肝に銘じるのよ。
お客様に断られても、自分という人間が断られたわけではない。って。
まあ、今日はぱあーっと飲んだら?
外回りでおなかもすいてるんじゃない?
出前とろっか!!