マリーの部屋 ー お金のこと⑧ 仕組み債
みなさまごきげんよう。
お元気でお過ごしかしら。
わたくしね、先週金曜、ティーンエイジのときのお友達に久しぶりにお会いしたの。なんか、たまたまのめぐりあわせで、急に会おう!ってなって、5年ぶりだったかしら、会ったの。10代のころは、お互いの家族旅行に参加したりしていたのよ。
もともと近かった友達は、きのうあったばかりのようにお話できるのね・・・
お互い経済力もついて、おいしいごはんとワインを心ゆくまで味わえましたわ。
としをとるのも悪くない、って思いましたの。
さて今日は仕組み債の話。
わたくし、先日新聞を読んでいて驚きましたの。
なぜなら「仕組み債、リスク大きく ー「高金利」うたいトラブル」
という記事がでてきたから。
仕組み債なんてまだ売られているのね!
そういえば年末にお伺いした地域金融機関でも、子会社の証券会社では「仕組み債」を個人に販売しているとおっしゃっていたわ。
金融危機のときに、あんなにご自身たちが「仕組み債」の値段が下がって苦しんだのに、おなじようなものを個人に販売してしまうのね・・・
なんだか、わが国の金融業界の「業(ごう)」を感じてしまいます。
みなさま、ふつうに、ふつうに考えてください。
証券会社ですすめられる、ということはまず、「証券会社がもうかる」という商品であるということです。
さらに、いぜんもご説明させていただきましたように、
「普通の債券より高金利」=「普通の債券よりリスクが高い」
ということでございます。
リスクとリターンは同じ。
以前、そう申し上げたかと思います。
仕組み債といっても、どうやらネットでしらべるといろんな種類があるみたい。
でも本質的には仕組みは一つです。
「証券会社のもうけ分」+「高金利ぶん」
=
「オプションを売った対価としてのオプション料」
でございます。
そう、
「仕組み債券を買う」=「オプションを売っている」
ということになります。
もれなく、ぜったい、「オプションを売っている」のです。
そのオプションには様々な種類があるので、仕組み債も様々な種類が出てくるのでございます。
「オプション」を「売る」ってどういうことでしょうか?
そもそも「オプション」というのはおわかりかしら。
「〇〇を100円で買う「権利」」
とか、
「△△を50円で売る「権利」」
「権利」のことでございます。
その「権利」を「売る」のですから、
「〇〇を100円で買う権利」を相手(オプションの買い手)が持っているということ
=
相手の希望により「〇〇を100円で売る」ことを約束するので、その「契約金」としての「オプション料」をもらう。
相手の希望により「△△を50円で買う」ことを約束するので、その「契約金」としての「オプション料」をもらう。
ということでございます。
ええ、〇〇の値段が1万円に上昇したとしても、100円で売ることをお約束しているので、オプションを売った人は、〇〇を100円で売らなければいけません。
もし手元に〇〇がなければ、市場で〇〇を1万円で買ってきて、100円で売るってことです。
手元にもっていたとしても、市場で売れば、1万円で売れるものを、100円でオプション保有者に売る義務がございます。
とどのつまり、9900円の「損」です。
また、△△の値段が1円になったとしても、50円で買うとお約束しているので、50円だしてかわなければいけません。1円で買えるはずのものを50円で買うのですから、49円の損ですわよね。
もちろん、「仕組み債」を買うときには、〇〇や△△の値段があまりうごかなそう、って見えるます。
でも、オプションを「売る」ということは、「無限に近い損失がある可能性アリ」ということを忘れないでください。
〇〇の値段は、100円から110円にしか上がらないかもしれません。でも1万円になったり、さらには100万円になることがない、とはいいきれません。
そのときの〇〇の値段がいくらになろうとも、
オプションの売り手は約束を履行する義務がある
のでございます。
オプションを売っている、という時点で、無限にちかい損をする可能性があるって心にとめておいてください。
いまはなさそうに感じても、私たちは金融危機や、東日本大震災や、コロナをあらかじめ予想できたでしょうか?
世の中は予想もしていないことで満ち溢れているのです。
また、さらに、よくないのは
「素人にはその、オプション料、がいくらか計算できない」
ということでございます。
つまり、仕組み債にはいっている、自分が売っているオプションの料金(契約金)がいくらかわからないため、証券会社に、オプション料のうちのいくらを渡しているか(取られているか)全くわからないのです。
わたくしの経験上、オプション料金が300万円のところ、証券会社が100万円もらって、お客様には200万円しか渡さない。
それどころか、オプション料金が300万円のところ、証券会社が200万円とってしまう
という事例も複数回見てまいりましたわ。
みなさま、本当に簡単なことでございます。
「リスクとリターンは同じ」
「リスクがなく、リターンが高い金融商品は、絶対に、ない」
そして、証券会社が熱心にすすめる商品は、証券会社がもうかる商品。
どうかお忘れにならないよう、お願いいたします。
それではごきげんよう。