マリーの部屋

人々の幸せを願うマリーが、投資、資産運用、キャリア、受験、子育て、金融について語ります。金融機関勤務25年超。東京大学経済学部卒。

スナックまりー 女ぎらい

いらっしゃーい。
こんばんは。


あら、悩める女子社員。
久しぶりじゃない?
その後、順調に結婚までいったのかしら。


結婚したのね!おめでとう!!
まあでも、ここに飲みに来ているってことは、妊娠はしていないのね。
はい、最初の一杯をどうぞ。

え?妊娠したら、産休育休をとるから、同期の男性社員より昇進が遅れる?


そうなのよねえ。
私も妊娠中、「仕事でおくれをとる」って悩んだわ。
実際、昇進が同期男子より遅くなったしね。


そのときにね、はじめて「ジェンダーギャップ」について本を読んだりして勉強したの。
大学生まで、男子も女子もほとんどかわらなかったのに、社会に出ると、こうも扱いが違うのか。
そして、みんな頑張っているはずなのに、社会のトップ層になぜ女性がほとんどいないのか。


そんなときであったのが、上野千鶴子さんの本。
日本で最も有名なジェンダー研究、社会学者よね。


上野先生の本が、文庫になって平積みになっていたから、ひさしぶりに読んでみたの。
「女ぎらい ニッポンのミソジニー」


けっこう学術的な話もはいっているから、難解に感じるページもあるけど、よかったら読んでみてよ。


この本で気づかされたことはいくつもあるんだけど、その一つが、
「男は男に認められてはじめて男としての価値を感じる」
「女は女としての価値をはかるのに、必ず男の目を通る。男性は自分が女性に価値を与えていると考えている」


なるほど、って思わない?
でね、男性が男性にみとめられる項目の一つとして、「女をものにする」というのがあるの。
あくまで一項目。


ここから考えると
ー夫婦関係が破綻しているのに、離婚したがらないのは男
 →女ひとり、ものにできないという、他の男からの評価に対する恐れ。


ーパートナーが浮気した場合、男はパートナーの女を非難するが、女は男の浮気相手の女を非難する
 →自分がモノにしたはずの女の裏切りに対する怒り。女同士は、男から価値あると認められる必要があるから、常にライバル関係。


ー↑と関連するけど、有名人が浮気した場合、男の浮気は許容されがちだけど、女の浮気はとっても非難される。


ー(男性)自分がパワーある女性に従い、女性の陰で生きるのはちょっといや。


パートナー関係以外でも
ー組織で上に登りたいという意識の男性はとても多い(その執着は女性には理解しにくいほど強い)
 →周囲の男から「汝、やるな」といわれたい。


男性からみると女性は「男でないもの」ということらしいの。
男同士が対等で、女性はそれに劣る存在。


こういう考えが文化的にしみついているからこそ(日本に限らず)、ジェンダーギャップの問題って根深いのね。


あなた、このへんを理解した上で生きていかないと、いろいろ将来つらくなるわよ。
オトコ並みに働く女、基本的には
「どうやって男性同士の仲間にいれていいのかよくわかんない」
って思っている男性はまだ多いの。


どうすればいいのかしらねえ。
男性は「女性に価値を与えているのは男性」と思っているので、
大前提として、「見た目は女」にして、彼らの視界にはいっておいた上で、
妥協なく、仕事で成果を上げるってことでしょうか。
そして、同期とかちょっと先輩の男性たちではなく、
うんと上の役職の男性を味方につけておくってことかしらね。


あなたがいくら頑張って成果をあげても、「立場が揺らがないくらい」上の立場の男性。
そういう人たち、がんばる女子をかわいがってくれるわよ。


うーん、私も苦労した側で、
これっていう成功体験があるわけじゃないので何ともいえないけど、以前男性同僚から言われたことがあるの。


「まりーさんは、女の皮をかぶった、おっさんだね」


たぶん誉め言葉よ。
この人、仕事場で男性コミュニティに、ちゃんと私をいれてくれたもの。


もしかしたら、当面はこういう生き方がベターなのかもね。


まだまだジェンダーギャップが解消されるには時間がかかりそうねえ。
解消されることはないのかもしれないけど、これは「人権」の問題なので、解消されるべきよね。


あらため息つかないで。
ため息つきたくなったときは、スナックまりーに来るのよ。
話をきいてあげる。


次の一杯は、強いお酒にしようか!

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