マリーの部屋

人々の幸せを願うマリーが、投資、資産運用、キャリア、受験、子育て、金融について語ります。金融機関勤務25年超。東京大学経済学部卒。

スナック まりー 婚活

いらっしゃい。
はじめての方ね。
どうぞ好きなところにお座りになって。といってもカウンターしかないけどね 笑。
若いお嬢さんが一人でいらっしゃるなんて珍しいわ。


何のむ?
甘いものがほしいのね。・・・ちょうどすっごい甘いイチゴづくしのデザートがあるのよ。それに合わせてビターなカクテルなんてどうかしら。
・・・疲れてるの?悲しいことがあったのね。
いいわよいいわよ。ここではたくさん泣いて心のデトックスしてね。アルコール度数、高くしておくわ。


婚活がうまくいかない?
へえ、同期の女子が結婚決まったんだ。それはへこむわね。
婚活って、人が相手の活動だものねえ。努力したからうまくいくってもんじゃないしね。相手の都合や考えは変えられないしねえ。
努力したら成果がでるお勉強とは違うわよね。


昔、あたしが仕事をリストラになったときに、同じくリストラになった女の先輩がこういったの。「まりーちゃん、男と仕事は、焦るとろくなものつかまないわよ。」って。そのときは「仕事見つけなきゃ!」と焦っていたあたしを諫める言葉だったんだけど。今は「あせると、ろくな男をつかまない」ってほうが、ぐっとくるわね。


お仕事は?へえ、そのへんの男の人より稼いでるじゃない。立派だと思うわ。
しかも美人じゃない。もてるでしょう。
・・・でも結婚にはたどりつかないのね。
結婚しないと生活できない、ってわけじゃない。それに、楽しい恋愛も次々とできているじゃない。
なんで結婚したいの?


・・・ふうん、わかんないんだ 笑。
わかんないの、わかるわよ。


あたしもそういう時期があったわ。自分で稼いでいるし、恋愛もできている。親や親せきから結婚しろともいわれていない。
でも、なぜか焦るというか・・結婚しないと、ダメ、みたいな気持ちがあって。


たぶん、優等生だったあたしには「人生チェックリスト」みたいなのがあったのよねえ。
いい子として生活し、いい大学にいって、いい会社に就職して、素敵な人と結婚して、子供をうむ、みたいなのが、チェックリストになっていた。
その中で特に難しそうな、いい大学といい就職先を、ちゃんとゲットできた。結婚して子供産むなんて、地方のヤンキーでも軽々と達成しているじゃない。学歴なくても、きれいにしていなくても、みんな簡単に達成しているじゃない。
それをあたしが達成できないのは、おかしい、と思っていたわ。


あなたみたいな、美人で優秀な女性、いままで達成できなかったことなんて、あんまり無いでしょう。そのあなたにとって、はじめての達成困難なタスク、それが結婚なんだと思うわ。うふふ、結婚したらしたで、もし妊娠しなかったら、さらに悩むわよ。


でもねえ、あたしくらいの年になると、まあ、結婚出産も人生のいろんなファクターのひとつ。もっていたからいい、ってもんでもない、というのが身に沁みちゃって。
離婚しているお友達もたくさんいるし、バツ2以上も何人もいるわ。子供もいい子に育つとは限らないし。子供が思い通りにならなくて、お金ばっかりかかって、ダンナも浮気して、苦労してすっかり老けてしまって見る影もないお友達もいる。


そう、人生なんて、何が幸せにつながるか、わからないのよ。いろんな幸せの形態があるし、その生き方それぞれに偏差値なんてつけられないわ。自分の中にしか、自分の幸せなんてないのよ。人からうらやましがられる人だって、幸せかどうかわからないわよ。あなたはいま、人から認められたり、人から幸せって思われる人生をイメージしているかもしれないけど、それと、実際幸せかどうかは全く別。


でもひとついえるのは、自分のことを大切に思ってくれる、欲してくれるお友達や、男性がいると、だれでも幸せを感じるんじゃないかな。とくに自分が好きな人、会いたい人が、自分を同じように欲してくれてるって、素晴らしくない?人生が豊かになるわよ。
簡単なことじゃないわよ。でもあなたみたいに、いろいろ頑張ってまじめに生きている女子は、女子のおともだちができやすいし、さらにきれいにしているので、男性からもモテる。とてつもなく、幸せになれるわよ。


え?年をとったらもてないって?
うふふ、本気でそんなこと思っているの?そんなわけないじゃない。
先日ね、女友達とフレンチを食べにいったの。お酒がはいったら、最近の男ともだちたちの話になって。
彼女は50代だけどとっても素敵な人。もてもてよ。ちょっと前に知り合いの男性に誘われてごはんにいったんだって。お酒がはいったせいか、その男性が大胆になって、「好きだ」といいだし、キスしようとしたんですって。彼女はお食事は楽しいけど、それ以上の関係になる希望はなかったから「まあまあ、おちついて」と男性をたしなめたのよ。そのとき男性が近づきすぎるのを拒否してちょっと体をおしたら(彼女は小柄。150センチくらい?大した力じゃないわよ)そのまま男性が転んで、鼻血をだしちゃったんですって。笑っちゃわない?夜の青山で流血事件。結局甘いムードは吹き飛んで、いまでも単なる飲み友達みたいだけど。
50過ぎても、そんな話はいくらでもあるのよ。


心配することはないわ。
結婚すれば幸せなんてことはないし、子供がいるから幸せってことも全くない。
幸せって、自分を肯定しながら、充実した毎日を送る、ということなんじゃない?そこに一緒に楽しみをわかちあえるお友達がいたら最高。


ちょっとは元気になったかしら?
それでも婚活続ける、というのなら、一度、自分にすごい向いてくれる男と誰でもいいから結婚してみたら?そうしたら、「人生のチェックリスト」にチェックできるし、気が済むってもんよ。ふっきれるんじゃないかな。たいしたことなかったなって。


また来て。
おいしいデザートとお酒を用意しておくから。
出会った男性のお話をしてくれるのを楽しみにしているわ。


気を付けて帰ってね。
おやすみなさい。

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