マリーの部屋

人々の幸せを願うマリーが、投資、資産運用、キャリア、受験、子育て、金融について語ります。金融機関勤務25年超。東京大学経済学部卒。

マリーの部屋 ー 外資金融90年代クロニクル

みなさまごきげんよう。
お元気でお過ごしかしら。


最近為替レートが円安に大きく動いて、24年来の安値!とかいってますわねえ。
24年前・・・1998年ね。
そのころ、私は外資系金融機関の新人で、毎日先輩からおこられていました。
日々起こることが新鮮すぎて、もちろん24年前の今と同じくらいの為替レートのことも昨日のことのようによく覚えています。

(市ヶ谷のフレンチ、シェオリビエのメインのチキン。お肉と皮の間に、エビのペーストがはいっていて、エビのソースがかかっているの。エビとチキン、すばらしかったわ!こういうごはんも、円安でお値段が上がってしまうのかしら・・・。)


わたくしが、社会的幼少期を過ごした外資系金融ですが、そこであった「へえ~」という出来事をひさしぶりに思い出してみました。
実社会で言うと、「あ、また昔話だ。たりー」と思われるだけなので、ここでお話してみます。


あ、あくまでわたくし個人の経験ですのよ。


会議では全員足を組んでいる
椅子だけあって、テーブルがないような形で会議やセミナーがあることも多かったの。みんな足どころか腕まで組んでいて、「偉そう」な姿勢で、「こんなオフィシャルな場でこんな偉そう」とびっくりしました。


稼ぐ人が一番偉い
わたくしは営業もしくは営業に近い場につねにいましたので、稼いでいる人ほどえらいとされているのをずっとみました。実際自分がトップの成績のときは、外人からホームパーティに呼ばれたり、トレーダーがデスクまで来てくれたり。逆の場合は、トレーダーの席まで自分がお伺いにいかなければいけません。


結婚が決まったとき・・・
親しくしていたお姉さまから「で、相手の国籍は?」と言われてびっくりした・・・日本人です・・・。


パワハラもセクハラも存在しない
そんな、弱者にやさしい人事制度はありませんでした。
一度先輩に「いまの発言セクハラですよ~w」といったら、「いいか、お前と俺、どちらが稼いでいて、どちらが会社にとって大切な人材かよく考えろ」と私の発言を注意されました。
つまり、問題になっても、つぶされるのは、私、ってこと。


面接のマニュアルはない
入社の面接時の面接官マニュアルその他はまったくなく、〇か×かをつけるだけ。5人くらいと会うんだけど、×がひとつでもついたら、つまり面接官のうち一人が否定的だったら、それだけで落選。ちなみに、優秀でソツがない人は「つまんないやつ」と×にされるのが恒例。


新人は有給休暇はとれない
私たち同期は全員、入社3年目くらいまで1日も有給休暇はとれませんでした。病欠も顰蹙を買うの。
「稼がざる者休むべからず」
と言われたわ。


新人が評価される項目
=稼ぐ先輩の役にたつこと。朝ごきげんをうかがう、コーヒーを買う、弁当を買う、コピーをとる、電話をとる、先輩が遅刻をするときは周囲やお客様をごまかす、(ここから男子版)合コンの途中報告をして、来るべきか来なくてもいいかお伝えする、出張の飛行機の中でCAの連絡先をかわりに聞く、六本木でかわりにナンパして飲み会を盛り上げる、賭け麻雀に付き合う・・・


とにかく稼いでいる人がえらいというだけの、単純な構図である意味、究極のわかりやすい職場でした。愛社心とか、周りにやさしいとか、誠実さとかそんなことは評価項目にはなく、あるのは数字だけ。
そして、稼げないと単なる奴隷。
奴隷階級から這い上がるため、私は入社3年目まで、22時前に会社を出たことはなかったし、有給休暇を1日もとったことがありませんでした。


でも、3年目には一人前になれたので、それはそれでよかったと思います。


時代によって働き方って違うわね。
でも若いうちに力やスキルをつけておくと、あとで楽ですわ。育児休暇をとっても復帰しやすいですしね(男女とも)。


それではみなさまごきげんよう。

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