マリーの部屋

人々の幸せを願うマリーが、投資、資産運用、キャリア、受験、子育て、金融について語ります。金融機関勤務25年超。東京大学経済学部卒。

スナック まりー 女子こそキャリア!女子こそ学歴!

いらっしゃ~い、こんばんは。来てくれてうれしいわ。
いいのいいの。元気な顔みせてくれるだけでいいの。
今日はゆっくりくつろいでいってね。


ほんと、最近せちがらい事件が多いわよねえ。
大阪の放火といい、電車のテロといい。
・・・ああ、確かお嬢さん受験生だったわよね。東大キャンパス前での無差別襲撃事件、自分の子が被害者だったら、と思うといたたまれないわよね。
加害者のご両親の気持ちを思ってもたまらないわよね。
きっとぜんぶウイルスのせいよ。ウイルスにこんなに幅きかされちゃって、心がささくれ立つってものよ。


お嬢様どこ受けるの?医学部!
へえお医者様になりたいんだ。いいじゃない、手に職つけられて。お勉強大変でしょう。大学受験はもう親は見守るしかないからねえ。気をもむわよねえ。


あたしねえ、今までの人生でいろいろ「これでよかったのかな~」と思い返すことはたくさんあるのよ。例えば付き合った男友達とか。他の男の子と付き合ったほうがよかったんじゃないかな、なんてね。
逆にね「思ったよりすごいよかった!」と思うこともあって。
その最大のものの一つが学歴。


あたし、高校は男女共学の進学校にいっていたの。たまたま高校3年のときとなりの席に座っていた男子が東大理3志望でむっちゃ成績よくて「東大なんて受けた人のうち3割うかるんだぜ。俺は理3だから難しいかもしれないけど、文系なんて簡単だよ。まりーが目指さないことが信じられない」と言われたわけ。あたし、成績がトップクラスでもないし、東大なんて考えもしなかったけど、そういわれたとき「そんなもの?」と思っちゃってね。うふふ、若いわよねえ。でもね結局その気になったまま、一浪して合格しちゃったのよ、東大に。


その男子は無事理3に合格したわ。何十年もあってないけど、元気かなあ。


おばあちゃんにはすごく心配されたわ。東大なんて行っちゃったら、嫁の貰い手がないとかいわれて。そして、私がジーンズばっかりはいていたからワンピース買ってくれたわよ。早く彼氏つくりなさい、なんて言ってね。当時キャンパスには銀杏並木の伝説っていうのがあったわ。大学1年の秋に銀杏が色づくころまでに彼氏ができないと、東大女子は一生結婚できないっていう伝説。失礼しちゃうわ。でも実際、たくさんいた同級生の男子たちは、いつのまにかキャンパス内に入ってくる白いワンピの女子大生たちとさっさと付き合いはじめたわ。「あたし、何か選択間違えたのかも・・・?」とよく不安に思ったわよ。せっかく合格したのに、ひどい状況だったわね・・・。


でもね、就職活動のとき私の学歴は威力を発揮した。それまでの世界、模試でも入試でも男女差なんてもちろんないわけ。なのに就職試験になったら圧倒的に「女子総合職」の枠がすくなくて。大企業の総合職(死語?)に限っていえば、男子:女子の求人比率は10:1くらい。その狭き門の選考を受ける資格を得るのに、学歴が使われていたのよ。


もちろん採用する企業にいわせれば「学歴差別なんてない」っていうわ。でもね、人気企業だと何万人という学生が受けにくるわけ。その人たち全部に会うわけにいかないじゃない。まず、面接や選考に進む人の数を絞らなきゃいけない。そのときひそかに使われるのが大学名。さっき言ったように、少なくとも当時は男子:女子の採用枠(人気企業総合職)が10:1なわけだから、女子で選考に進める人数自体が非常に少ない。
結果、女子は東大プラスちょっとくらいしかひっかからなかったのよ。そもそも選考をうけられやしないのよ。
かたや男子は東大早慶上智はもちろんGMARCHも、それ以外も、とりあえず選考の入口には立てたわけ。
差別だ、って思ったわ。


そして卒業時に驚いた。高校のとき私よりずっと成績が上位で早稲田や慶応に現役で進学した女友達が軒並み大企業の一般職に決まっていて。総合職なんてほとんどいなかったの。


社会人になって5年も働けば、学歴=仕事のでき、では全くないのはわかるわよね。ネットを見れば「自分の周囲の仕事ができない東大卒」みたいなコメントが山のようにあふれているわ。でもね、入社試験、その後の転職試験、その他いろんなところで、学歴って「ふるい」に使われているの。とくに若いうちはね。


その後、年をとってくると学歴はだんだん影をひそめてくるけど、いまだに聞かれることあるわねえ。みんな、青春時代に多くの時間を使った受験勉強の記憶が色濃く残ってるのかしら。
キャリアの入口で「女子総合職」という希少生物になれたので、なんとか生きてこられた。その後もその希少性を維持してさえいれば、希少生物の人口はどんどん減っていくので(途中で育児のために専業主婦になったりして減る)相対的な価値はあがるってわけ。


うふふ、なんだか力がはいっちゃったわ。
日本社会はまだまだ男性社会。毎年世界経済フォーラムが発表している「ジェンダー・ギャップ」指数で、日本は世界で120位よ。いわゆる先進国のなかで、いちばん男性優位社会なのよ。
その中で女子が生き抜いていくなら、学歴とか資格(医師、弁護士、会計士等、難しい資格)をもっていることで、やっと男性と同じ土俵に立てる、と思ったほうがいいわ。一度立てたら、同性のライバルはぐっと少なくなるから、それはそれで生きようはあるし。
逆に男子だったら、ある程度の学歴だったら、いかようにも生きていけそうよねえ。東大卒なんて学歴なくても生きていけるわよ。


私が言いたかったのは、お嬢さんがお医者さんを目指して受験勉強頑張っているの、すごくいいと思う、ということ。これからの人生生き抜く武器としては、女子にとってはとてつもなく大きいと思うわ。男子が持つ以上にね。


(そもそもの話として、女子が社会で総合職で活躍する=人生の幸せ、ってわけじゃないのはもちろんよ。それはまた長くなるので今度♡)


受験はこれから本格化するわよね。
とにかく毎日温かく見守ってあげて。
私も心から合格を祈っているわ。


またきてね。吉報をまってるわ。
おやすみなさい。


(その後の顛末はこちら)

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