マリーの部屋 ー お金のはなし㉛ 債券の価値2300兆円下落!?
みなさまごきげんよう。
お元気でお過ごしかしら?
昨日の日経新聞にこんな記事が出ておりましたね。
7月19日(火)の朝刊の一面です。
うわあ、債券やば!
と思った方が少なからずいらっしゃったかと思います。
まったく、やばくありません。
債券は満期がくるまで、決められた利子(クーポン)が支払われ、満期に100が返ってくるだけです。
それは、今でも、何も変わっていません。
債券と株の「時価」の意味は全く違いますの。
この記事は、単に、
「計算上、債券価格が下がった」
ということを言っているだけです。
そして、債券市場は膨大な大きさなので(なんといっても、株と違って、企業だけではなく「国」が発行している世界)、その総額がおっきくなってしまった、というだけです。
元本が毀損したわけでも、利子(クーポン)の支払いが止まったわけではありません。
株も債券も、上がったら売って、下がったら買う、みたいにトレーディングして短期的にかせぐ(同じくらいの確率で損する)という性質は同じよ。
でもずっと持っていたらどうでしょうか?
株を長期保有する収益=配当
債券を長期保有する収益=利子
そしてね、ここが大きく違うのですが、
多くの場合、債券の利子は、あらかじめ決まっています。変動金利もあるけど、そんな大きくぶれません。
一方株は、企業にもよりますけど、配当は上下しますわよね。
そして、株は売却することによって、投資したお金をとりもどす。その時の時価で、売却するしか、購入金額をとりもどす手段はありません。
一方で、債券は満期で自動的に100で償還する。
債券は、額面と同じ金額で償還します。
つまり、
株から得られるキャッシュフロー=毎年の配当+売却時の価格
債券から得られるキャッシュフロー=あらかじめ決まった利率+100(元本)
債券って、プロの世界において、英語でなんて言うかご存じ?
Fixed Income
(決まった収入)
株と違って、保有することによって得られる金額は、ほぼ、あらかじめきまっているのです。
最初の日経の記事に戻りましょう。
日経の記事は、
債券の利子(クーポン)が下がった、とか、元本が毀損した、という話ではないのです。
単に、今の金利で「計算」すると、
すでに発行された債券の利率は(低金利により)低めだから計算上時価が低くなった
というだけの話。
それをこんなに、あおるような記事が一面に出るなんて、
債券が危ない投資みたいに思えるじゃない?
違うわ。
債券は、返済順位の上位にある、決められた期日に100をお返しし、その間、決められた利率を払う金融商品。融資と一緒といえば、わかりやすいかしら。
わたくし、新卒の時からFixed Income Department(債券部)にいましたので、債券は大好きよ。
あしもとでも、US Treasury Stripsの2年もの、10年物、それから借り換えリスクが小さくなったので、US MortgageのETFを購入しました。
みなさまも、株だけではなく、ぜひ債券に分散投資されてくださいね。
それではごきげんよう。
(先日行ったゴルフ。せっかく100切りしたのに、またへたくそに戻ったので、ブログを書くのはやめたわ。太平洋クラブ 美野里。おいしかった冷やし担々麺!)