マリーの部屋

人々の幸せを願うマリーが、投資、資産運用、キャリア、受験、子育て、金融について語ります。金融機関勤務25年超。東京大学経済学部卒。

マリーの部屋 ー お金のこと㉕ 梅雨時の怪談

みなさまごきげんよう。
お元気でお過ごしかしら?


なんだかおりたたみ傘が手放せない、じめじめした気候になってきましたわね。
空もどんよりして。。。
そんな曇天にふさわしい怖い話をお伝えするわ。


わたくし、前回ETFカンファレンスに行ったときのことを書きましたわよね。
そのときにいろいろお話が耳にはいってきたのよ。。。。


その一つが、お金もちの高齢者にどんな商品が紹介されているか、って話。
投資家保護という観点から、多くの証券会社が社内規定をおいて、75歳以上には投資信託をおすすめしない、とかしているんですって。
そして代わりに何を販売しているかというと・・・・・
「仕組み債」


債券だから「安心」というテイで販売しているところもあるとか・・・


元本が南アフリカランドに連動したり、日経225のオプションが入っていたり。ええ、もちろんリスクをとっているのは仕組み債の買い手。
はっきりいって、そのへんの投信よりリスクの高い(つまりお金が減ってしまう可能性の高い)仕組債がたくさんあります。


さらに、「投資信託は運用報酬や販売手数料をとられますが、債券はそれらの費用はかかりません!」
そりゃあ、仕組み債は債券ですもの。投信ではないから、運用報酬や販売手数料はかかりませんわ。でもそん運用報酬や販売手数料よりずっとたくさんのお金(利益)を、仕組み債の販売時に証券会社は取っている、抜いているんです。さらに、それを購入した個人投資家はものすごいリスクをとっているのに、「お得」みたいに説明するなんて・・・


完全に間違った販売方法です。人として、どうか、というレベルです。
こんなセールストークをする営業マンに会ったら、2度とお話しないほうがよろしいわ。心の底から、そう思います。


この世から仕組債がなくなったほうがいい。
前回のブログ話題にした、プロ機関投資家向けETFカンファレンスで、有識者たちが言っていました。


最近では、そんな仕組み債券を
地銀の窓口で販売している例がある!
というお話をききました。


そんな世の中から消えたほうがいい仕組み債券を高齢者に営業している地銀があったら、いますぐ預金をすべて引き出して、他の銀行と取引をすることをおすすめします。
現役世代の皆さまは、お父様お母さまがそんなものを購入していないか、ご確認してください。


さらに怖い話をきいたのですが・・
私が10年以上前に勤めていた証券会社の同僚と、久しぶりにお寿司をいただきにいきましたの。
茅場町の「菊寿司」
ほぼ常連のみの、なんだか「誰かんち」みたいな雰囲気で、おいしいお寿司をカウンターで1万円くらいで飲んで食べてさせてくれて、わたくしが頻繁にいっているお店です♪

(あわび!)


あ、話がずれてしまいましたわ。
その証券会社時代の同僚・・・
彼はいまでもその証券会社で、地銀や信用金庫をはじめとした、地域金融機関に対する営業をしています。
地域金融機関が、おあずかりしている預金を、元本を減らさずに運用するための金融商品を販売している、ってこと。


最近は何が売れ筋?ときいたところ、
「仕組み債と仕組みローン」


地域金融機関はご自分が、個人顧客に仕組み債を販売しているだけではなく、ご自身も仕組み債を、預金の裏の資金運用として購入されているんですって!!


ええ、15年くらい前には、そういう時期がございました。身に覚えもございます。
でもね、そのとき地域金融機関は、そんな仕組み債、仕組みローンで大損をしているのです。まさか、同じ轍を踏むとは・・・


彼がすでに稼いだ金額は、ちょっとびっくり高額すぎてここでは公開できませんが、彼は今年度すでに、ものすごく稼いでいます。
その、地銀の預金の裏側の「仕組み債」で。


みなさま、預金保険機構のしくみはご存じよね。
預金1000万円までは、国が保証してくれるの。
どんな変な地銀に預金しても大丈夫。


でもね、それ以上の預金は、(前例はともかく)保証されません。
あなたの預金は、仕組み債にかわっているんです。
それが大きく損失を出したりして、その地銀が破綻したら戻ってきません・・・


金融危機のことを思い出しました。
かなりレバレッジがかかった、仕組み債券を販売しておりまして・・・
たくさんの地域金融機関が、その仕組み債で損をだして、経営破綻して、他の地域金融機関に救済合併とかされていましたっけ・・・・


さらに、それを販売していた証券会社も大損をすることになり、リーマン・ブラザーズも潰れましたし、他の証券会社も大赤字で。
そんな商品を作ったうえに販売していた、わたくしはクビになりました。


そんな経験を経て、わたくしは2度と変な商品を販売したくないですし、
そんなものを購入している個人投資家に、なんとかお知恵をさずけて、回避していただきたいと思っているんです。


そして、証券会社でのキャリアを捨て、運用会社に参りました。
(仕組み債が嫌で、運用会社に行ったのに、そこでまた、レバレッジやインバースといったひどい商品を目にして、もはや悟りの境地ですわ・・・
個人投資家救済はあきらめませんけど!!)


みなさま、じっとりとした夜に、怖いお話を聞いたと思いません?
いいお話の裏には悪いお話、儲け話の裏には損をする可能性がありますの。


世の中すべて表裏一体。
リスクとリターンは同じ。


ごきげんよう。

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